研究テーマ − 研究紹介 《ADC値の精度の検証》

研究の背景

急性期脳梗塞の画像診断において,MRIの拡散強調画像(DWI)は,CTにおける早期虚血徴候とともに中心的な役割を占める.DWIにより虚血の程度を診断するにあたっては,標準化された病変の輝度を目視的に判断すると同時に,画像から計算される見かけの拡散係数(ADC)が参考になる.

ADC値の低下が高度である領域は不可逆的な虚血巣,軽度な領域は可逆的な虚血巣と判断することができる.この場合,ADC値の閾値については多くの研究がありなお検証を要するが,閾値を利用するためには,得られるADC値の装置間,施設間での均一性,再現性が保証されている必要がある.しかし,ADC値のばらつきに関する検証はこれまで報告されていない.

ASIST-Japan の取り組み

ASIST-Japanでは,異なる複数のMRI装置(5社,12機種,静磁場強度0.4〜3T)により同一被験者を撮影してADCマップを作成する多施設実験を計画し,既にデータ収集を終了している.間もなく解析結果を報告できる予定である.